アトピーの人ならその痒さは理解できると思いますが、脱ステロイドをしたときに襲いかかってくるリバウンドの痒みといったら想像を絶する痒みなのです。
それが、皮膚が薄くて脳みそに近い頭部や顔面だと気が狂いそうなくらいの痒みです。
特に痒くてたまらない部分が目の周りでした。
脱ステのリバウンド中は体中の皮膚が炎症を起こしていますし、ちょっと掻くだけで血や黄色い浸出液が溢れだしてきます。
目の周りなどの薄い皮膚の部分は、もう掻く事もできないくらいにタダレてしまっていますので、叩いたりこすったりすることで痒みに対抗することしかできなくなってしまうのです。
その『叩く』『こする』という行為がアトピー性白内障の原因になりました。
アトピーの人が白内障を発症する原因としては、強く掻いたり、強くこすったり、叩いたりすることなどの外傷が主な原因です。
ちなみに、ステロイド剤そのものが白内障の原因になっているという因果関係は解明されていないそうです。
白内障は突然やってきます。
白内障は水晶体の外側の部分から内側(視界の部分)にかけて白い濁りが広まってきます。
ですから、白内障が始まっていても、視界の部分まで白い濁りが迫ってこないうちは自覚症状がありません。
しかし、視界の部分にまで白い濁りが到達すると、視力の低下や視界のぼやけなどの自覚症状が起こります。
高齢者やご年配の方がなる白内障はゆっくりと進行していきますが、アトピー性白内障の場合は、自覚症状が現れるとあっという間に真っ白になってしまいます。
つまり、脱ステによる白内障は本当に突然やってくるのです。
正常な目
白内障になってしまった目
私の場合、まぶたの痒みに我慢ができず、強くこすったり叩いたりしたことで、水晶体が白く濁ってしまったために白内障になってしまいました。
ステロイドが効かなくなってしまっていた身体でしたので、もちろん顔はステロイドもプロトピックも全く効果がありませんでした。
だから自分勝手にステロイドをきっぱり止めて民間療法の脱ステを始めたのですが、
今思えば医師と相談しながら少しランクを上げたステロイドを使って顔のアトピーの症状をしっかりと抑えてから徐々にランクの低いステロイドへと移っていけるように、上手くコントロールしていれば良かったと心底後悔しています。
特に、顔にアトピーが発症している人は、むやみに脱ステを始めるのは本当に危険なのでやめてほしいと思います。
現在私は、ステロイドやプロトピック、ネオーラルを使用しながらアトピー治療を行っていますが、症状は以前とは比べものにならないくらい改善していますので楽しく快適な生活を送れるようにまでなりました。
もちろん、根本的な治療は食生活の改善や生活習慣の見直しですが、ステロイドを上手く活用することで何ら不自由なく社会生活を送れています。
以前は、ステロイドすら効かなかったのですから。
最終的にはステロイドを使用しなくても済むようにアトピー完治を目指して頑張っています。