痒疹(ようしん)とは、重症のアトピー患者によく見られる皮疹です。
ひどい痒みを伴い、硬い芯のようなものがあり、イボのようにぶつぶつとしたものです。
急性痒疹(きゅうせいようしん)いわゆるストロフルスと、慢性痒疹(まんせいようしん)があります。
アトピー患者の場合は、湿疹が痒いために何度も掻きむしっていたり、かさぶたのめくれを何度も繰り返していると、
ボツボツが次第にイボのように盛り上がってきます。
その症状が慢性痒疹ですが、慢性化してしまっているので完治が難しくなり難治性となってしまいます。
そして、その痒疹を掻きむしる事を繰り返していると、次第に硬くなりさらに難治性となってしまいます。
そういった硬い状態(結節)になったものを『結節性痒疹』といいます。
私の場合は、現在ではアトピーの症状はステロイドでコントロールできるまでに回復し、炎症もかなり治まりましたが
それでも、足は痒疹がたくさんあります。なかには結節性痒疹になってしまっているものもあります。
これは、先述したように難治性ですので、アトピーの症状が比較的治まっても、痒疹だけは長い間残り、強い痒みに悩まされるのです。
調べてみましたが、痒疹の治療にはやはり強いステロイドしかないそうです。脱ステをして治るといった、そんな簡単なものではないのです。
現在私が行っている治療方法は、ドレニゾンテープ4μg/cm2という貼り薬を使っています。
ドレニゾンテープ4μg/cm2の主成分はフルドロキシコルチドという比較的強いランクのステロイドです。
真ん中に芯のようなものがありイボ状になってしまった痒疹(ようしん)です。
アトピーが比較的改善された現在でも、難治性の痒疹だけは残り、激しい痒みがあります。
現在でも両足首にたくさんあります。もしも今後脱ステが成功したとしても痒疹だけはずっと残るものと思われます。
掻きむしりすぎて硬くなってしまった痒疹です。
これを結節性痒疹といいます。さらに完治が困難で、難治性です。
ダラダラと弱いステロイドを使い炎症を素早く抑えなかったた事が原因で湿疹が痒疹化してしまいました。
一度痒疹になってしまうと、かなり厄介で完治が困難になります。また完治したと思っても、何らかのひょうしで引っ掻いてしまうとすぐに再発してしまいます。
ステロイド軟膏を塗るだけの治療では効果が期待できませんので、ドレニゾンテープというステロイドの貼り薬で治療をします。
ドレニゾンテープは適度な大きさにハサミでカットして、痒疹の上から直接貼ります。
透明肌色のテープなのでそれほど目立ちません。これで多少掻いてもテープが保護してくれます。
でも、激しい痒みが伴うため、朝になるとはっぱり掻きむしっているのか?
テープが剥がれてしまっていることも多いです。
ここからは私の体験・経験ですがどうして痒疹ができてしまったのか?
それをご説明させて頂きたいと思います。
3~4年前に、仕事のストレスが原因で一挙に全身にアトピーが発症するようになりましたが
もうその頃にはPCを持っていましたし、自分なりにネットでアトピーについて情報収集をするようになっていました。
どこを見ても、「ステロイドは悪い」「ステロイドは怖い」「脱ステをしましょう」「アトピーを治す方法は脱ステ以外ありません」
そういった情報ばかりが目に入ってきました。
私は、ステロイド=悪 と思い込み、そのとき全身に使っていたアルメタよりも強いステロイドは使いたくない!と
炎症がひどい部分に適切な強さのステロイドを使用せずに、少しでも弱いステロイドで済まそうとアルメタをダラダラと塗っていたのです。
もちろん、アルメタなんかで炎症が治まるわけがありません。
四六時中、炎症部分を掻きむしることを繰り返していると、いつの間にかぶつぶつが盛り上がってきました。
はじめはあまり気になりませんでしたが、気がついたときにはもう既に痒疹になってしまっていたのです。
それからは、デルモゾールG軟膏⇒マイザー軟膏とステロイドのランクは徐々に上がっていきましたが、一度痒疹になってしまったら難治性となり慢性化し、そして、硬くなり結節性痒疹になってしまったのです。
今思うと、炎症はダラダラと放置せずに、できるだけ早く症状に応じたステロイドで炎症を抑えておけば、痒疹になる事はなかったでしょう。
それと、痒疹になってしまうと、とにかく耐えがたい痒みを発するので、痒疹付近のなんともない部分の皮膚まで不用意に引っ掻いてしまい皮膚バリアを破壊し、炎症を起こしてしまうと言う悪のスパイラルに陥ってしまいました。
これもまた私の経験からの主観ですが、今後脱ステロイドが成功したとしても、痒疹だけはいつまでも残る事になるのではないかと思います。
脱ステが目的ではないはずでした、アトピーを治したいというのが目的だったはずです。
しかし、いつの間にか、
アトピーを治す=脱ステ
弱いステロイドを使う事が大切
と、自分勝手に思い込んでしまったために、結節性痒疹という非常に難治性のやっかいな負の遺産を残してしまったのです。
ステロイドはあくまでも対処療法であり、アトピーそのもの治すものではないということ。
だとしたら、脱ステ=アトピーを治す というものでもありません。
脱ステも対処療法に過ぎず、根本的な原因の改善にはならないものと痛感しています。
脱ステのリバウンドで白内障になり、そして、適切なステロイドを使用せずに湿疹が痒疹になってしまいました。
ステロイドを最初から使わないのが一番良いのかもしれませんが、ステロイドを使ってしまった以上、最後まで正しくステロイドを使うべきでした。
アトピーを治したいなら、アトピーを治すことを第一に優先することが大切。
そのためには、できるだけ早めに炎症を抑える。
ステロイドを適切に使用する。
根本的な原因の改善にも努める。
脱ステがアトピーを治すと思い込んだので本末転倒といった結果となりました。
今、アトピーの炎症が起きているならば、ダラダラとした治療をせずに、できるだけ早めに炎症を抑えるといったことはとても大切だと思います。
痒疹の治療において最も大切なことは、痒疹にならないようにすること。
適切なステロイド剤で炎症を速やかに抑えること。
一度痒疹化してしまえば、難治性となり、再発の可能性が高いからです。