ユーグレナ(ミドリムシ)に含まれる「パラミロン」という成分が、アトピー性皮膚炎の代替治療に期待できると発表されています。
鳥取大学農学部獣医学科の杉山晶彦氏による、2010年3月の学会発表です。
まずは、ユーグレナについて詳しく調べてみました。
虫ではなく、藻の一種
ユーグレナの和名は「ミドリムシ」です。昔、理科の授業で勉強した覚えが私にもあります。非常に小さな微生物です。
「ムシ」と名前はついていますが、実際は藻の一種。ワカメやコンブの仲間です。
動物でも植物でもある?
ユーグレナは、約5億年前に誕生した原始的な単細胞生物です。
「単細胞生物は、動物と植物の区別が難しい」という話は聞いたことがありませんか?
動物は、自分で動いて活動するもの。植物は、光合成でエネルギーを得るものですね。
ミドリムシは藻の仲間なので、光合成でエネルギーを得ていますが、自分で動いて活動することもできます。
『動物でも植物でもある』と言える生物です。
豊富な栄養素を持っている
ユーグレナは体長わずか約0.05mmの、非常に小さな生き物ですが、驚くほど豊富な栄養素を持っています。
食品として見たとき、ユーグレナには、ビタミン、ミネラル、アミノ酸など、59種類もの栄養素が含まれています。
「栄養素の生産性は稲の数十倍」という指摘もあり、栄養価がとても高いことがわかります。
「パラミロン」を蓄えている
ユーグレナの顕微鏡写真を見ると、身体の中に棒状の結晶を持っていることがわかります。
これが、ユーグレナの貯蔵物質「パラミロン」です。
私たち人間が脂肪をエネルギーとして蓄えるように、ユーグレナはパラミロンを蓄えているわけです。
パラミロンという成分はβ1,3-グルカンという物質が凝縮されて作られています。それがコレステロールを減らす働きをし、また抗酸化作用がありデトックス効果があると言われています。
また、パラミロンはユーグレナ独自の成分で、他の植物や食品には含まれていません。
栄養の吸収効率が非常に高い
ユーグレナは、光合成をする植物(藻)の特徴を持っていますが、動物のような特徴も持っています。
その中の一つが、『細胞壁を持たない』ということです。
植物には細胞壁がありますが、動物には細胞壁がありません。
私たち人間は、細胞壁を消化する「セルラーゼ」という成分を持っていません。そのため、細胞壁を持つ植物の消化効率は悪くなってしまいます。
ところがユーグレナの場合、光合成をするので植物の栄養素も持っていますが、細胞壁を持たないので、消化効率がとても良くなっています。
また、動物でも植物でもあるユーグレナは、動物性栄養素も植物性栄養素も持っています。
この療法の栄養素を、93.1%という高い効率で吸収できる、優れた健康食品でもあります。
アトピー改善に期待できそうだと思う理由
以上が、ユーグレナについて調べた内容です。
調べていくうちに、私がピンと来た内容は、抗酸化作用があるというところです。
鹿児島大医学部の研究により、食事指導と抗酸化物質の投与で、重症のアトピーが改善されることがわかっています。
私も長年アトピーと戦ってきて、抗酸化作用がアトピー改善に重要なことはよく知っています。
栄養素も豊富で、吸収しやすく、抗酸化作用があるユーグレナなら、からだの中からアトピーを改善する効果が期待できそうですよね。