アトピーの症状を軽くするためには、食事療法も大切なポイントですよね。
食べ物を変えたり、工夫することで、症状が改善されるケースも多いようです。
そこで、アトピーに良いとされる食材を使ったレシピを、これからいくつか紹介していきたいと思います。
参考にした文献
※1 厚生労働省 厚生労働科学研究情報 リウマチ・アレルギー情報センター 「アトピー性皮膚炎の病因・病態の解明および新治療法閉発に関する研究班」主任研究者:西岡清 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科環境皮膚免疫学教授 source
※2 厚生労働省 e-ヘルスネット source
※3 内閣府食品安全委員会 平成22年度 食品安全確保総合調整 「食品に含まれるトランス脂肪酸に係る食品健康影響評価情報に関する調査」 調査報告書P83 - 5 pdf
※4 http://ja.wikipedia.org/wiki/トランス脂肪酸 source
※5 厚生労働省「食事バランスガイド」 source
最初に必ずお読みください!
本題に入る前に、このページでは、いくつか注意して頂きたい点を書きます。必ず目を通していただくよう、お願いします。
1:効果・安全性は人によって異なります
アトピーはアレルギー性疾患で、食べ物の相性も人によって異なります。同じ食材でも、人によって効果があるもの、効果がないもの、逆にアレルギー反応を起こして悪化させてしまう場合もあります。
当ブログでは、一般的な栄養学の観点から、「アトピーに良さそう」と言われる食材を選んで、レシピを紹介していきます。
ですが、それがご自身にとって安全か、効果的か…という点は、個人により異なると思われます。
当ブログのレシピを参考にされる場合、ご自身のアレルゲンが入っていないかなど、しっかりと安全確認を行ってください。
2:症状を“治療”する効果はありません
当ブログでご紹介するのは、あくまで一般的な家庭で実践できる、“食事の工夫”程度の内容となります。
「これを食べればアトピーが完治する」「この食事法で脱ステロイドできる」といった類のものではなく、そうした効果は無いものとお考えください。
工夫をしない食生活に比べて、症状が少しでもラクになる、あるいは出にくくなる…といった程度の効果を目指して、食材を選び、レシピをご提案していきます。
あくまでも、アトピー症状やステロイド療法と、上手に付き合っていくことが、アトピーに悩まされない毎日のための、一番の道だと考えています。
このレシピや当サイトをご覧になられた方が、安易な脱ステロイド療法に取り組まれることは、管理人として望んでおりません。私自身が、それで大変な思いをしてきたためです。
ステロイド療法に関するお考えは、皆様それぞれお持ちと思いますが、ご理解いただけると幸いです。
3:アトピー改善には『医食同源』から
ただ、これだけは言いたいのですが、
食事を見直すことでアトピー改善に向けて一歩でも二歩でも進んでいけるのではないでしょうか。
日頃からバランスの取れた食事をとることで病気を予防し、治療しようという考え方で、『医食同源』というものがあります。
ステロイド剤だけに頼るのではなく、食生活を見直し改善することが、結果としてステロイド剤の減ステに繋がっていくのではないかと考えております。
アトピー対策レシピの基本方針
次に、当ブログで紹介する、アトピー対策レシピの基本の考え方やポイントを解説します。
脱ステロイド、毒出し、毒素排出etcの食材は慎重に扱う
繰り返しになりますが、私は食事の工夫を、脱ステロイドのための食事療法とは考えておりません。
また、「脱ステロイドできる」「毒出し・デトックス」「毒素排出になる」といった説明は、悪質なアトピー療法業者の常套句でもあります。
そのため、こうした効果効能の喧伝される食材は、極めて慎重に扱います。
ただ、まったく除外してしまうと、玄米や葉物野菜などに含まれる食物繊維すらダメになってしまうので、完全に除外するものではありません。
整腸作用、代謝向上などの、医学的・栄養学的に明確なメリットがある場合のみ、それを評価してレシピに採用することもあります。
抗酸化成分を含む食材
アトピー症状の改善や対策に、抗酸化作用が重要だとされています。
「アトピー性皮膚炎で酸化ストレスが作用し、抗酸化薬の開発が必要」(※1)であることが、厚生労働省の研究班にも指摘されています。
そこで当サイトのアトピーレシピでは、抗酸化作用が一般に認められている成分を含む食材を、重視して採用していきます。
具体的には、以下のような成分および食品が挙げられます。(※2)
・ポリフェノール、カロテノイド
・ブルーベリーなどに含まれるアントシアニン
・大豆に含まれるイソフラボン、サポニン
・ごま由来成分のセサミノール
・そばに含まれるルチン
・緑茶カテキン
・発酵茶(紅茶、烏龍茶など)に含まれるテアフラビン、タンニン
・緑黄色野菜や果物に含まれるβカロテン、リコピン
・えび、かに(甲殻類)、さけ、ます(魚類)などが持つアスタキサンチン
低トランス脂肪酸食
アトピー性皮膚炎の症状は、トランス脂肪酸の摂取量と関連があることが指摘されています。トランス脂肪酸の摂取量が多いほど、アトピーを含むアレルギー性疾患の罹患率が高いことが、ヨーロッパ10ヶ国のエコロジカル研究で明らかになっています。(※3)
トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニングなどに含まれる「硬化油」に多く含まれます。(※4)
こうした食材/調味料を絶対に使わないよう、留意アレンジしたレシピをご紹介していきます。
基本的な栄養バランスを重視します
アトピー症状の改善には、基本的な栄養バランスを整えることも重要であると考えられます。
そこで、厚生労働省「食事バランスガイド」(※5)を基準資料とし、栄養バランスに極力偏りが生じないよう、留意したレシピを取り扱っていきます。
学会報告、公文書、公的資料、医師による研究結果を重視します
アトピー改善、対策の食事法や食材に関しては、公文書や学会論文から、個人ブログの感想、健康食品メーカーの調査・宣伝、新聞報道など、さまざまな信頼度の情報が氾濫しており、一見しただけでは正誤の判断が難しくなっているのが現状です。
(こうしたお悩みから、当ブログをご覧いただいている方も多いと思います。)
そこで当サイトでは、氾濫する情報の中から、以下のものを「信頼できる情報」と判断し、それに照らし合わせて、アトピー対策に有益な…少なくとも害の少ないであろう…食材や調理法を選んでいきます。
・皮膚科学会、アレルギー学会などの学会報告
・上記に準拠する公的研究機関の研究報告
・皮膚科医や免疫、アレルギー専門医による論文、研究報告、事例報告
・公文書、公的資料…特に、主たる所管省庁となる厚生労働省、農林水産省のもの
・これらの資料で情報の正誤性が確認可能な、(出典元が明記されている)二次・三次媒体
こうした資料チェックを行い、「信頼できる」と判断できるものであれば、市販品や通販の健康食品も、しかるべき評価で取り扱うつもりです。
実際のご活用は、一人一人の判断にお任せします
当サイトでご紹介するレシピの中には、あなたや、あなたの大切な方の「アレルゲン」が含まれている可能性もあります。
なぜなら、アレルギーを引き起こす要因は一人一人異なるためです。
たとえば、「抗酸化成分…」の項目で挙げたように、「えび・かに」は、抗酸化作用を持つ成分を含んでおり、アトピー改善食に有効だと考えられます。
ですが、甲殻類アレルギーをお持ちの方にとっては、摂取してはいけない食べ物です。
また、アトピー性皮膚炎は、一人一人の置かれた状況や現在の症状、治療方針など、さまざまな個人差が大きい疾患です。
当サイトのレシピが、誰にでも必ず有効であるとも限らず、また、誰にでも絶対安全であるとも限りません。
従って、アレルゲンなどの最終的なご判断は、皆様のお一人一人にお任せする形となります。
新事実が明らかになり次第、適宜改定していきます
アトピー性皮膚炎は、まだまだ研究途上の疾患です。今後、新しい発見や、既存の理論を覆すような研究成果が発表される可能性もあります。
また、私自身が現時点で見落としている部分も、きっとあるでしょう。
そうした新事実が明らかになり、その情報が確認でき次第、本ルールは適切に改定していきます。
最後に…
難しい長文となってしまいましたが、どれも重要なポイントです。しっかりと意志をもってお伝えしたく、全て書かせて頂きました。
すでにご実感の通り、アトピー性皮膚炎は、「適当にやっていれば良い」ものではありません。
印象操作や宣伝に惑わされず、正しい情報と知識に基づき、正しい選択、そして正しい行動をしなければいけません。
だからこそ、私としても、皆様に当ブログを安心して有効活用して頂くために、明確なルールを定め、運用していく必要がある…。そう考え、ここで明示させて頂きました。